本好きさんからの課題

〈今伝えたい1冊〉
『おやときどきこども』鳥羽和久 著(ナナロク社 2020年6月発行)
昨年読んだ中でもっともズシッと重たく心地よい衝撃を受けた一冊です。福岡唐人町で現在も寺子屋を運営されている方による本で、そこに通う生徒やその親御さんとの体験がベースになっています。少しずつ世の中をや言葉を知りながら、それでもまだ染まりきっていないであろう子供たちから発せられる言葉の一つ一つに思わずハッとさせられ、昔は確かに自分も感じていたはずなのに、大人になるにつれて「そういうものだから」と片付けてきた違和感や疑問と再び出会う気持ちで読みました。全ての子供と、かつて子供だった人たちに届けたい本なので、どんな形でこの本が表現されるのか楽しみです。
〈本との出会いなどなど〉
大きな書店も新しい本が常に並ぶ図書館もない街に生まれてしまったが故に、触れる機会といえばスーパーの3階にある申し訳程度の本屋スペースで文庫本を買って読んでをしてたぐらいで、意識して多くの本に触れるようになったのは大学で京都に出てきて文学を学ぶようになってからです。学校図書館だけでなく、古本屋、大型書店と本のある生活が急に身近なものになって、当時はそれこそ昼も夜も時間があれば本を読んでいました。その頃はいずれ本に関わるお店をとまではまったく考えてなかったですが、色々あって結果的に本が身近にある場を構えるに至りました。本は好きですが、熱い思いがあるかといえばそうでもない(そもそもそんなに熱い人間でもない)です。そんな人間でも、別に熱い想いで向きあわなくても気軽に触れられるのが本の良いところだと思います。難しい本を読んだり、たくさんの本を読んだりする人がえらいという訳でもないですし、高尚な趣味にせず、敷居を下げて、もっと気軽に身近に本に触れてほしいと思いながら日頃生活しています。(下田洋平)

フェルディ・ トリハディ

フェルディ・ トリハディ(Ferdi Trihadi)

日本の文化や言語をグラフィックデザインをベースに、イラストで紹介しているブランドである。オリジナルの学習教材や商品を作ることで、語学学習の楽しさを伝えることを目標としている。2017年にインドネシアでキャリアをスタートさせたのち、2020年日本に移住し、現在は福岡市を拠点に活動中。