本好きさんからの課題

祐真朋樹の衣装部屋へようこそ Autumn-Winter / Spring-Summer
この本、ただのスタイル本と思うことなかれ。
2015年秋、自分で言うのもおこがましいが、とにかくストイックに仕事に打ち込んでいた。同時に「服屋」としてのミッションとは何か?アパレルの存在意義とは?etc…、真剣に悩む日々を過ごしていた。真剣であるが故に、アパレル販売のプロとして正確で豊かな知識や、TPOSにまつわる着こなしのルールといったことに溺れ、ファッションを楽しむことができなくなっていた時期でもある。
この本を手に取ったのは、偶然でしか無い。その日も、ジュンク堂の専門書コーナーで洋服の歴史的な背景を学ぶ本を探す中、手に取った本書。
憑き物が取れた様に、夢中でページをめくる。
「好きなことで飯が食いたい」「格好いいを追求したい」共にAW版はじめに より
祐真さんの飾りのない言葉が胸に刺さる。
祐真さんの過ごした〈30年×12か月〉にもわたる、色鮮やかで濃いファッションの流れを「秋冬版」「春夏版」の2冊にまとめたこの本は、氏の人生を通して匂い立つ四季を感じる一大叙事詩である。
好きなことを仕事にした時に、ルールや意味に縛られて楽しむことを忘れていた私が、自身を振り返り、もう一度原点回帰することができた、そんなきっかけとなる本書との出会い。
ファッションは、自由に楽しんで良いのだ。
ルールを大切にしたい自分も、誰かのために装う日も、季節や気分で着こなすことも、全部含めてポジティブに。
そんな自然体が、素直に「格好いい」と心の底から思う。(田鍋 明)

柿木理恵・齋藤真喜子

柿木理恵(JAGDA宮崎)(右)

グラフィックデザイナー、アートディレクター
宮崎県宮崎市生まれ。県内印刷会社、デザイン事務所を経て2004年に独立。2006年OysterDesignを立ち上げ、現在に至る。企業ロゴや商品パッケージ、ブランディングなどを手がけている。

http://oysterdesign.jp