本好きさんからの課題

私がお勧めするのは、「僕が恋した図書館の幽霊」(著:聖いつき/スターツ出版文庫)です。荒削りだけど一本気!福岡在住作家のえがく、やさしいやさしい物語!!ちょうど七不思議をなぞるような出会いをした主役二人。静かな図書館で筆談を交わすような淡い時間を重ね、少しずつ距離が縮まった彼と彼女。しかし、彼女には、秘密があった。それは、本来、それを“秘密”と捉えることすら苦しいもので――。序盤は七不思議という、ふわふわファンタジーから始まりますが、中盤からガラッと雰囲気が変わります。軸がとても身近な現実に戻ってきます。文体も装丁も畏まった雰囲気がなく、ハードルが低く手に取りやすい。主役が学生ということ。二人が困難にどう立ち向かうかという過程。これらの点でティーンにおすすめしたい一冊です。実はこの本、普段自分では手を出さないようなジャンルでしたが、福岡在住の著者ということで店頭展開するために読んだのが始まりです。作家さんが発売前にわざわざ店頭までお越しくださり、熱くプレゼンしてくださった熱意に応えての展開でした(笑)。県が主催する手話講習会に参加・お手伝いの交流があるという、著者の経験則がおおいに発揮されています。きっとこの言葉は、関わったひとからしか出てこないことでしょう。他人が持つ意識・概念と、本人が感じている思いのズレなど、改めて考えるきっかけになります。著者の経験が感じさせるノスタルジーという共感性の点で年配の方にもたくさんお買い上げいただけたのも興味深かったです。デビュー作ということもあり正直に申しまして、荒削りで、いろいろテーマを欲張ってて、技術不足も感じてしまうかもしれません(笑)しかし、それでも、明るい未来像を、可能性を、ティーンに感じてほしいと思いこちらをおすすめしました。どうぞ、やさしいやさしい物語を、よろしくお願いいたします。(井手しずか)

永野研太

永野研太(JAGDA福岡)

福岡・株式会社四次元ポケット
永野研太(代表)、児玉和音、姜 炫多、萬歳千聖。グラフィックデザインをベースに、ブランディング・PRを行うクリエティブカンパニー。

https://yonpoke.co.jp/